みやしろ町から

大学生が「日本のこれから」を考えるブログ

障がい者雇用で共生社会は実現するのか

障がい者雇用共生社会は実現するのだろうか?今回は、障がい者雇用の現状と企業の取り組みから、共生社会を実現するためのヒントを考える。

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2006年に施行された障害者雇用促進法により、これまで障がい者の雇用創出と社会参画が進められてきた。この法律により、企業は全社全体の2.2%の障がい者を雇用しなければならない。しかも、2020年には2.3%へ引き上げされる。

ただ、達成割合は50%に留まっているのが現状だ。しかも、せっかく入社しても短期間で離職してしまうケースが多い。雇用のミスマッチが発生しているのである。

加えて、身体障がい者の就職は進んでも、知的障がい者や精神障がい者の就職は進んでいないのが現状だ。

 

障がい者を農園へ

障がい者雇用支援のビジネスモデルを完成させ、大きな成功を収めている企業がある。株式会社エスプールである。

この企業は日本で唯一、障がい者専用の企業向け貸し農園を運営している。障がい者の定着率は90%以上であり、多くの企業に支持されている。

私はこれまで知らなかったが、その世界ではかなり有名な企業であり、日本全国から応募が殺到しているという。障がい者の社会進出と共生が成功している例である。

 

障がいは身体ではなく社会に存在する?

「自立」とは、社会の中に「依存」先を増やすことであると提唱するのは、東京大学先端科学技術研究センターの熊谷晋一郎氏だ。

障害というのは、皮膚の内側ではなく外側にあるのだという主張です。例えば階段を昇れない私の身体に障害が宿っているのではなく、エレベーターがない建物という社会環境の中に障害が宿っているのであり、私たちの暮らしを妨げていることに気づかせてくれたのです。こうした障害の捉え方を「社会モデル」と呼びます。これに対して、障害を皮膚の内側にあるとみなす考え方を「医学モデル」と呼びます。

その点で考え方がはっきりと見えるのはNHKだ。NHKは「障がい者」ではなく、「障害者」という言葉をあえて使っている。障がい者を社会にある障害に向き合っている人々と捉えているからである。

私はこれまで「医学モデル」の視点でしか考えてこなかったように思う。障害はもしかしたら私たちが作り出してしまっている可能性を考えたい。

 

私たちの意識変革で共生を目指そう

16歳から64歳の障がい者は全国で354万人いると言われている。その中でも最も割合が多いのは精神障がい者であり、約200万人もいるのだ。私たちは彼らと共に生きていかなければならない。

「共生とは互いが幸せであることだ」私はこのように信じる。ただ、多くの雇用ミスマッチが起きている現状から考えると、それが上手くいっていない現実があることを知らなければならない。

最近では障がいについて改めて考えさせらる機会が増えてる。『24時間テレビ』や『バリバラ』、主人公が自閉症研修医である『グッド・ドクター』、れいわ新選組で障がいを持つ議員が誕生したことなどである。私たちは改めて障がい者と共に生きる未来を考えていかねばならない。

 

【参考】