5G社会は何ができるのか
昨年の10月に、総務省は「5G」電波の割り当てを発表した。ソフトバンクをはじめとする国内4社が、2020年内に商用通信サービスを開始する見通しである。
ところで、最近まで私は5GのGはギガだと思っていた。正解は、Generation(世代)のGであり、5Gとは第5世代無線移動通信技術の略称である。
5Gは4Gと何が違うのか。5G社会ではどんなことが実現するようになるのだろうか。まずは、5Gについて、3つの重要な特徴を見ていく。
①eMBB
1つ目は、超高速大容量[Enhanced Mobile Broadband・拡張モバイルブロードバンド]である。通信速度や通信容量が飛躍的に増大するため、より高精細で高音質なデータを素早く送信することができるようになる。「2時間の映画を3秒でダウンロード」はよくある例えだ。
②URLLC
2つ目は、超高信頼低遅延通信[Ultra-Reliable And Low Latency Communications]である。これは自動運転や遠隔医療の実現に向けて、重要なことだそうだ。いったいどういうことなのか。
4Gのところで示した時速60km/hで走行中の車に停止指示を送信した場合1秒程度のタイムラグによって約16.7m進行してしまうのが、約1.7cmの進行に収まるレベルになります。〔参考1より〕
つまりタイムラグがほぼなくなるのである。上の例で考えれば、1秒間に16.7m進む車への指示が1秒間遅れれば、確実に事故が起こる。だから現在の4G社会で自動運転を実現することは、安全性の面でかなり困難なのである。
③mMTC
3つ目は、超大量端末同時接続[Massive Machine Type Communication・大規模マシンタイプ通信]である。1k㎡内で100万台の端末の同時接続ができるようになるそうだ。人がたくさん集まる場所で、電波が繋狩りにくくなる問題が解決する。それだけでなく、同時に大量の機械を制御できるようになるそうだ。
超スマート社会になる?
5G社会で私たちの生活はどう変わるのだろうか。日本政府は、超スマート社会(Society 5.0)の実現を目指している。では、超スマート社会とは何か。
サイバー空間(仮想空間)とフィジカル空間(現実空間)を高度に融合させたシステムにより、経済発展と社会的課題の解決を両立する、人間中心の社会(Society)〔参考4より〕
ちなみに、Society 1.0からSociety 4.0まではそれぞれ、狩猟社会,農耕社会,工業社会,情報社会だそうだ。そう考えると、私たちは社会の大きな革命期の中を生きているらしい。
こんな動画から未来の生活がイメージできるかもしれない。(もう少し時間はかかると思うが、、、ただし農業自動化はけっこう進んでいる。)
〈https://m.youtube.com/watch?v=gevZ2RLW5Yk〉
5G社会では、第1次産業から第3次産業まで、あらゆる分野でイノベーションが起こるだろう。技術の進歩や法整備が必要だから、実現には時間のかかるものもあるだろうが、AI(人工知能)との融合によって今よりさらに便利な暮らしが実現されることになるはずだ。
5Gは超スマート社会の土台となる。そして超スマート社会の実現は、情報社会(Society 4.0)の抱える課題や困難を克服することを意味する。つまり、5G社会の到来はビックニュースなのだ。
【参考】
- 生活者データ・ドリブン・マーケティング通信「「5G」をちゃんと知ろう!~Gの歴史と5Gのポテンシャル~【前編】」2019.06.06
- 生活者データ・ドリブン・マーケティング通信「「5G」をちゃんと知ろう!~Gの歴史と5Gのポテンシャル~【後編】」2019.06.07
- Biz Solution by docomo「日本政府が本気で挑む超スマート社会「Society 5.0」とは?」2018.08.28
- 内閣府HP〈https://www8.cao.go.jp/cstp/society5_0/index.html〉