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【投票日は10月27日】参議院埼玉県選出議員補欠選挙、解説と展望予想

10日に告示された参議院埼玉県選出議員補欠選挙は、NHKから国民を守る党党首の立花孝志氏(52)と、前知事の上田清司(71)の2人による一騎討ちとなった。なお、自民党公明党は候補者を出さない。

なお、期日前投票は10月11日(金)から、10月26日(土)までとなる。また、台風第19号の影響により、一時的に閉鎖する期日前投票所もあるので、ホームページなどで確認されたい。〈https://www.pref.saitama.lg.jp/e1701/r1saninhosen.html

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※上画像は、YouTubeのチャンネル「prefsaitama」からアップされている動画、「参議院埼玉県選出議員補欠選挙啓発動画(マイルド版)(15秒)」よりその一部をスクリーンショットして引用させて頂いた。今回は「翔んで埼玉」ならぬ「補選で埼玉」である。

 

立花孝志氏の戦略

立花氏は参議院議員を辞職した。ただし、これで参議院議員議席が減るわけではない。以前の埼玉県知事選挙で出馬した浜田聡氏が繰り上がりで参議院議員となった。よって今回の埼玉県選出議員補欠選挙は、NHKから国民を守る党党首の立花孝志氏が出馬することになる。この選挙で当選すれば、NHKから国民を守る党参議院で2議席を獲得することになる。

そしてこの1議席はかなり大きな意味を持つ。なぜなら、2019年7月21日に投票が行われた参議院選挙において、与党系無所属を加えた「改憲勢力」は、非改選の議席を含め計160議席で、改憲の発議に必要な「3分の2」(164議席)には4議席届かなかったからだ。

初めて議席を獲得したNHKから国民を守る党は、その後元みんなの党代表で無所属の渡辺喜美参院議員とともに、参院統一会派みんなの党」を結成した。また、北方領土をめぐる戦争発言で日本維新の会を除名された丸山穂高衆議院議員らも合流した。これらの勢力を与党にちらつかせながら、改憲勢力合流をカードにしてNHKスクランブル化という目標を目指していくことになるだろう。たかが1議席かもしれないが、この1議席をもし獲得するようなことになれば、立花氏にとって大きな切り札となるのだ。

tymyh1123.hatenablog.com

↑8月25日に投票が行われた埼玉県知事選挙の結果はこちらから。

 

なぜ今選挙が行われるのか

そもそも、今回参院埼玉選挙区補欠選挙が行われるのは、現職であった大野元裕氏が埼玉県知事になったためである。ここで批判される可能性があるのは、大野元裕氏(前参議院議員)に入れ替わる形で上田清司氏が参議院議員になろうとしていることだ。立花孝志氏もこの点については強く批判している。

補選は大野知事の参院議員辞職に伴うもので、大野知事が7月の参院選の公示までに議員辞職していれば、参院選との合併選挙になっていた。この点についても言及し、「22億円もの選挙費用がかかる。税金の無駄遣いだ。N国以外の政党は指をくわえてみている。こんなのは許せないでしょう」と語気を強めた。

〔読売新聞「参院補選 「勝てる可能性ある」 N国・立花氏出馬へ」2019年10月9日付朝刊より引用〕

選挙の争点にこそならないものの、この事実を埼玉県民としてどう受け止めるべきだろうか。

 

上田清司氏の当選を予想

私は上田清司氏が当選すると予想している。
まず、16年間(4期)埼玉県知事を務めてきた実績面が大きい。前回の知事選挙では、自ら定めた3期12年の多選自粛条例を反故にして4選出馬を行ったことから批判を受けた。また、先の埼玉県知事選でも、当選した大野元裕氏との強い協力関係に対する疑問の声が少なからずある。ただ、それ以外の県政の部分では大きな批判は見られないし、埼玉県に対する理解や思いは明らかに立花氏を上回っているだろう。
また知名度の点で、メディアへの露出やYouTubeをはじめとしたインターネットによる情報発信の結果から、立花氏の方が上回っているのではないかという意見も見られるが、知名度上田清司氏の方が圧倒的だろう。埼玉県民の有権者上田清司氏を知らない人はほとんどいない筈である。
立花氏にとって、選挙結果はあまり重要でないのかもしれないが、、、あくまでも選挙結果としては、立花孝志氏が当選する可能性は限りなく低いのではないかと思う。立花氏は10%の得票すら獲得できないのではないだろうか。

 

今回の選挙は単に参議院議員を決める選挙ではない。NHKから国民を守る党の動きからもわかるように、選挙を政治の一手段として利用しようとする新しい選挙の前例になるのだ。埼玉県はこれまで投票率の低さが問題視されていたが、新たな政治史の1ページをつくる気持ちで選挙に参加していきたいものだ。