みやしろ町から

大学生が「日本のこれから」を考えるブログ

【投票日は10月27日】参議院埼玉県選出議員補欠選挙、それでも立花氏が勝てない理由

今月10日に告示された参議院埼玉県選出議員補欠選挙は、NHKから国民を守る党党首の立花孝志氏(52)と、前知事の上田清司(71)の2人による一騎討ちとなった。なお、自民党公明党は候補者を出さない。また期日前投票は10月11日(金)から、10月26日(土)までとなる。f:id:tymyh1123:20191011214858j:plain

上画像は、YouTubeのチャンネル「prefsaitama」からアップされている動画、「参議院埼玉県選出議員補欠選挙啓発動画(マイルド版)(15秒)」よりその一部をスクリーンショットして引用させて頂いた。今回は「翔んで埼玉」ならぬ「補選で埼玉」である。

 

ところで、ネット記事やYouTube、個人のブログを見ると、立花孝志氏の当選を予想しているものが多い。しかしながら、 私は以前の記事(下の記事)で、上田清司氏が当選することを予想した。今回は、ここまでネット上で立花氏が有利と予想している中で、それでも立花氏がこの選挙で当選できない理由を考察していく。

tymyh1123.hatenablog.com

 

埼玉県知事選挙の結果から

ここで、今年の8月25日に投開票が行われた埼玉県知事選挙の結果を振りかえっていきたい。その結果は以下の記事にも挙げたが、あらためてここに示しておく。

  • 大野元裕 無新 野党支持 923,482(47.9%)
  • 青島健太 無新 自公推薦 866,021(44.9%)
  • 浜田聡   N国新 N国公認 64,182(3.3%)
  • 武田信弘 無新                   40,631(2.1%)
  • 櫻井志津江 無新               34,768(1.8%)

tymyh1123.hatenablog.com

 選挙結果を見て分かるように、事実上の与野党対決となった県知事選は僅差で野党が支持する大野元裕氏が勝利した。ここで注目すべきは、大野元裕氏と上田清司氏の協力関係であり、この県知事選でも上田清司氏は大野氏を全面的にバックアップした。つまりこの選挙で大野氏に投票した約100万人の内の多くが、補選で上田清司氏に投票する可能性が高いのだ。この時点で補選が行われることは分かっていたわけなので、補選で新たに大金をかけて選挙が行われることが分かっていても、県民は大野氏を選んだ。

またN国の得票は、あまり伸びなかった。そして問題なのが県知事選で青島氏に投票した自民党の支持層であるが、この票がたとえ割れたとしても立花氏の得票数は上田氏に届かないだろう。もちろん今回出ているのは浜田聡氏よりも圧倒的に知名度の高い立花氏である。ただ、それ以上に上田氏の知名度の方が圧倒的なのだ。

 

実績・知名度も上田氏が圧倒的

以下は前回の記事でも述べたが、上田清司の実績面も考慮しなければならない。

・埼玉県知事(第57・58・59・60代)

全国知事会会長(第12代)

・元衆議院議員(3期)

まず、16年間(4期)埼玉県知事を務めてきた実績面が大きい。前回の知事選挙では、自ら定めた3期12年の多選自粛条例を反故にして4選出馬を行ったことから批判を受けた。ただ、これまでの県政において大きな批判は見られないし、埼玉県に対する理解や思いは明らかに立花氏を上回っているだろう。

また、知名度の点で、メディアへの露出やYouTubeをはじめとしたインターネットによる情報発信の結果から、立花氏の方が上回っているのではないかという意見も見られるが、知名度上田清司氏の方が圧倒的だろう。埼玉県民の有権者上田清司氏を知らない人はほとんどいない筈である。

 

ネットの影響力は限定的とみるべき

f:id:tymyh1123:20191015211510j:image

上の表は、「(令和元年)埼玉県知事選挙 年齢別投票状況調べ」〈https://www.pref.saitama.lg.jp/e1701/r1_tijisen_nenreibetu.html〉である。先の埼玉県知事選挙では、若い世代の投票率が低かった。今回の補選もその傾向は変わらないだろう。よって今回の選挙のポイントは若い世代の投票率を伸ばせるかだ。立花氏は現在ネット上で積極的に情報発信を行っている。ただ、インターネットの影響力は限定的と見るべきだ。

県知事選挙においても、おそらく投票率上昇を目的に「翔んで埼玉」とコラボした選挙ポスターがうたれたが、どれだけ効果を果たしたかは不明であった。また、立花氏をインターネットで見る人はその支持者が多い。立花氏がこの選挙で勝つためには新たな支持層を獲得しなければならないが、その印象から立花氏に良いイメージを持つことができなければ、積極的にネットで立花氏にアクセスすることはないだろう。(自分にとって都合の良い情報しか見ない傾向があるのがインターネットの弊害でもあるが、、、)その印象の点で、立花氏が先日脅迫容疑で書類送検されたことは痛かった。つまり、それは新たな支持層を獲得することが難しいということを意味する。

 

個人的には立花氏にも健闘してほしいが、選挙は数の勝負である。得票が多くなると思われる50代以降の世代に届かないと意味がない。よって私は今回の選挙については、上田清司氏が当選すると予想する。

ただし、最後に述べたいことは、今回の選挙でたとえ当選できなかったとしても、選挙を政治の一手段として利用しようとする新しい選挙の前例となるということ。そして立花氏のYouTubeでの活動は、既得権益を破壊して新しい政治を若者でつくっていこうという、若者への強いメッセージであると、私はそのように感じるのである。個人的には、立花孝志氏の政治革命にはこれからも期待していきたい。